名手アンリ・ルノー「超幻」の名盤が最高品質のレコードで蘇る
あの「超幻」の名盤が最高品質のレコードで蘇る!名手アンリ・ルノーが、あの〈DUCRETET THOMSON〉に残したもうひとつの名演『HENRI RENAUD et SON ORCHESTRE(Trio et Octette)』が、180グラム重量盤でアナログLP復刻!
復刻シリーズ3タイトルを締めくくる、全世界500枚完全限定プレス!
この作品の録音された1957年はモダン・ジャズの黄金時代。当時、大衆娯楽の中心的役割は、紛うことなき音楽である。最先端好きのパリの人々はジャズを求めた。この年の暮、帝王マイルス・デイヴィスが映画「死刑台のエレベーター」(フランス・ヌーヴェル・ヴァーグの代表的作品。名匠ルイ・マル監督弱冠25歳のデビュー作。本作品のドラマー、ケニー・クラークも参加)のサウンド・トラック収録のため、フランスの地にやってくる。すべての形あるものは壊される運命にある。よりドラマチックに、マイルスの生のトランペットに、ディレイ、リバーブ、ディストーションといった処理(クールな新しい波)が、ジャズに持ち込まれる。ここから、激動(フリーとモード)の60年代へと、突き進んでゆくことになる。であるから、このデュクレテ・トムソンのアンリ・ルノーの本作品が、発展を重ねてきたモダンな、ジャズがジャズらしいアコースティックな響きと、調和のとれた旋律、そしてリズムを携えた、最も完成度高い時期における、モダン・ジャズ演奏の記録といえるのではなかろうか。(ライナーノーツより:Text by 前泊正人)