Calabria Foti(カラブリア・フォーティー)ニュー・アルバム『Prelude To A Kiss』
魅惑のシルキー・ヴォイス、カラブリア・フォーティの2 年振りの新作が登場。2007 年に『恋に過ごせし宵』、2017 年にコールポーターの作品集『夜の静けさに』を10 年振りに発表、世界中のヴォーカルファンを魅了した。2年振りの本作はロジャー・ケラウェイ(p)、ピーター・アースキン(ds)等が率いるピアノ・トリオにストリングスオーケストラが参加したゴージャスなアルバム。各曲にゲストをフィーチャーした究極のラブソング・バラード集である。
ニューヨークで生まれ、父親はトロンボーン奏者、母親はピアニストという音楽一家の中で育ったカラブリア。シンガーであると同時に10 代から始めたヴァイオリンも素晴らしくヴァイオリンニストとしてもかなりの実力の持ち主。本作でも2曲で彼女のヴァイオリンソロを聴くことができる。
収録曲は全11曲。どの曲も甘くロマンチック、カラブリアの洗練された選曲の妙味が感じられる。プロデュースはカラブリアのご主人のトロンボーン奏者ボブ・マクチェスニー。ボブ自身もトロンボーン奏者として3 曲に参加している。
オープニングはエリントン作“Prelude To A Kiss(プレリュード・トゥ・ア・キス)”、ゆったりとしたストリングスから始まりカラブリアのヴァイオリンソロを経てヴォーカルへ、後半はご主人ボブ・マクチェスニーの美しいトロンボーンソロをフィチャーした美しいトラックである。まさにタイトルチューンにふさわしい楽曲だ。
注目はM4の“Waltz For Debby(ワルツ・フォー・デビー)”の収録。1964年にモニカ・ゼタールンドがビル・エヴァンスのバックでスウェーデン語で唄ったバージョンが有名だが、英語バージョンではマンハッタントランスファーのシェリル・ベンティーンが自己のアルバムに収録している。あまり女性シンガーが取り上げることは少ない曲であるが、カラブリア自身のアレンジ、ギターカルテットのバックでしっとりと歌い上げている。その他アニタ・オディ等の名唱で知られるバラード曲“The Man With The Horn(マン・ウィズ・ザ・ホーン)”やジョン・ピザレリとのデュエット曲“It's The Mood That I'm In”にも注目。ジャズ・ヴォーカルファンには絶対に見逃せない名盤だ。
輸入盤国内仕様:日本語帯、解説付
【収録曲】
1. Prelude To A Kiss 6:34
2. I Had To Fall In Love With You 4:37
3. On The Street Where You Live 2:26
4. Waltz For Debby 5:13
5. When I Look In Your Eyes 7:04
6. Goodbye 3:31
7. The Man With The Horn 5:48
8. Backyard Medley 3:59
9. The Folks Who Live On The Hill 6:34
10. It's The Mood That I'm In 4:27
11. I'm Home 5:21
【メンバー】
Calabria Foti (vocal, violin solos Track 1, 10) with Strings Orchestra
Roger Kellaway (p), Trey Henry (b), Peter Erskin (ds), Larry Koons (g, Tracks 2,4,10), Bob McChesney (tb, Tracks 1,5,7), George Doering (g, Track 6), Luis Conte (perc, Track 2, 6), John Pizzarelli (vo, g, Track10)
掲載: 2019年05月23日 15:58