アンドレア・ブッカレッラ~『「トッカータ」16-17世紀ヨーロッパ各地のトッカータ』
4種のチェンバロを弾き分け、「トッカータ」の発展を巡る好企画!
1987年に生まれシスティーナ礼拝堂聖歌隊を経て、サンタ・チェリーリア音楽院でオルガン、作曲、通奏低音のデュプロマを取得したブッカレッラ。彼が代表を務める古楽合奏団アプコルディス・アンサンブルは、Deutsche Harmonia Mundiより2枚のアルバムをリリースしています。2018年のブルージュ古楽コンクールでは独奏者として優勝。
このアルバムはその記念となる、彼のソロ第一弾です。オルガン奏者として重点的に研鑽を積んできたブッカレッラだけに、生前オルガン奏者として活躍していた作曲家の作品が多い選曲も示唆的。歴史的奏法にさらに説得力が増すチェンバロ解釈に関心が深まります。
主に教会のオルガンで、演奏を始める前の指ならしが発祥とされる「トッカータ」。即興的技巧的な鍵盤作品として作曲され始めたのが16世紀中ごろの北イタリアで、まさにそのただ中にいたと思われるメールロの作品で幕を開けます。様々な国で特徴的な発展を遂げたトッカータ、ここでは有名無名の作曲家たちの手によるその過程を確認出来るのがたいへん興味深いところ。最後は、一世紀以上後にそれを仕上げたと言っても過言ではない、大バッハによる作品で締めくくられます。
(ナクソス・ジャパン)
『チェンバロのためのトッカータ集』
【曲目】
1.クラウディオ・メールロ(1533-1604):トッカータ第1番
~オルガンのためのインタヴォラトゥーラ譜によるトッカータ第2巻 より
2.ヤン・ピーテルスゾーン・スウェーリンク(1562-1621):トッカータ
~フリッツウィリアム・ヴァージナル・ブック より
3.ジョヴァンニ・ピッチニーニ(1571/2-1643):トッカータ
~フリッツウィリアム・ヴァージナル・ブック より
4.ジローラモ・フレスコバルディ(1583-1643):トッカータ第10番
~チェンバロのためのインタヴォラトゥーラ譜によるトッカータとパルティータ第1巻 より
5.ミケランジェロ・ロッシ(1601/2-1656):トッカータ第7番
~オルガンとチェンバロのためのインタヴォラトゥーラ譜によるトッカータとコレンテ より
6.ヨハン・ヤコブ・フローベルガー(1616-1667):トッカータ第3番
~トッカータ、ファンタジア、カンツォンとその他のパルティータ集第2巻 より
7.ヨハン・カスパール・ケルル(1627-1693):ドゥレッツェ・エ・リガトゥーレを伴う半音階的トッカータ第4番
8.マティアス・ヴェックマン(1616-1674):トッカータ第4番
9.ディートリヒ・ブクステフーデ(1637-1707):トッカータ ト長調 BuxWV165
10.ヨハン・アダム・ラインケン(1643-1722):トッカータ イ長調
11.J.S.バッハ(1685-1750):トッカータ ニ長調 BWV912
【演奏】
アンドレア・ブッカレッラ(チェンバロ/フィリップ・ユモー製)
[使用楽器]
イタリア式スピネット(2005)…1,2,6,7
イタリア式チェンバロ(2007)…3,4,5
ハンス・リュッケルス製(1615 アントウェルペン)の複製(2000)…8,9,10
ヨハン・ハインリヒ・グレプナー製(1722 ドレスデン)ドイツ式チェンバロの複製…11
【録音】
2019年3月、サンテーユ聖母教会、エロー県、フランス南部ラングドック地方
カテゴリ : ニューリリース
掲載: 2019年08月20日 00:00