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アルノルト・ロゼー『アルノルト・ロゼー録音集(1902-1931)』2026年7月23日発売~ウィーン・フィルの伝説的コンサートマスター

掲載: 2026年06月04日 00:00

アルノルト・ロゼー

ウィーン・フィルの伝説的コンサートマスターで、マーラーの義弟としても知られるアルノルト・ロゼの録音集。

輸入盤CD


ウィーン・フィルの歴史には伝説的コンサートマスターとして名の挙がる人が数人いますが、その草分けと呼ぶべきアルノルト・ロゼ(ロゼー)の録音を集めた復刻CDです。録音から100年前後を経た音源ですが、甘美なサウンドと雄弁な演奏を伝えてくれます。
1863年10月にルーマニアのヤシで生まれたロゼはウィーン音楽院でカール・ハイスラーに師事し、1879年に卒業すると、同年10月にライネッケ指揮のライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団と共演してデビュー。1881年4月にはハンス・リヒター指揮のウィーン・フィルとゴルトマルクのヴァイオリン協奏曲を共演し、ウィーン宮廷歌劇場(現在の国立歌劇場)の支配人が17歳のロゼを副コンサートマスター兼第1ソロ奏者に招きました。その翌年には自らの名を冠した弦楽四重奏団を創設。ブラームスは彼らを当代屈指とされていたヘルメスベルガー四重奏団さえ上回ると称賛しました。1888年から96年にはバイロイト祝祭管弦楽団のコンサートマスターも務めます。ロゼがウィーンでコンサートマスターとして、また時にソリストとして共演した指揮者の名前はグスタフ・マーラー、リヒャルト・シュトラウス、アルトゥーロ・トスカニーニ、フランツ・シャルク、フェリックス・ワインガルトナー、アドルフ・ブッシュ、クレメンス・クラウス、ハンス・クナッパーツブッシュ、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー等々、まさにウィーン・フィルの栄光の歴史そのもの。ブラームスやシュトラウス、マーラー以外にもシェーンベルク、ウェーベルン、ベルク、コルンゴルト、ヴァイグルら、多くの作品に関わりました。しかし、そのウィーンでのキャリアはハッピーエンドにはなりませんでした。1938年1月16日、ナチスの支配がオーストリアに迫る中、ブルーノ・ワルター指揮で行われたマーラーの交響曲第9番の演奏会(EMIに録音あり)が最後となったのです。その後はカール・フレッシュの尽力でロンドンに移り、マイラ・ヘスとしばしば共演。彼女の後援で自身の弦楽四重奏団を再結成するなどして活動を続け、1946年8月に83歳で亡くなりました。
ここに聴くロゼのサウンドは、まず高音の輝きと力強さが魅力的。ポルタメントが随所で使われて音楽に豊かな表情を加えるのは、この時代らしいスタイルと言えるでしょう。ロゼは彼より若い世代であるクライスラーに対してヴィブラートの多用を諫めたとされています。ここに復刻された録音で聴くと、ヴィブラートを無条件にかけることはしない一方で、音楽の表情に応じてテクニックの一つとしてヴィブラートを使い分けていたことがわかります。
尚、当盤収録の音源はほぼすべてがSP時代のアコースティック録音で、多くの曲がSP盤片面の演奏時間に合わせて短縮されています。またトラック9、11、15、17冒頭には人の声(プロデューサーがテイクの開始を告げる合図?)が収録されており、演奏が間髪入れずに始まることからカットされずに復刻されています。ある意味、当時の録音現場の様子を伝えるドキュメントと言えそうです。曲によって複数の別テイクを収めて違いを比べることができるのも資料として貴重ですが、トラック15のツィゴイネルワイゼンは音質的に難があります。トラック23のバッハは電気録音で、このアルバム中で最も音質が良く、その力強い楷書体のような演奏は今聴いても強い印象を受けることでしょう。
(ナクソス・ジャパン)

【曲目】
1. ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750):G線上のアリア(ヴィルヘルミ編)
録音:1909年5月 初出:HMV 47972 (matrix 14680u)
2. ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827):ロマンス第2番 ヘ長調 Op. 50
録音:1909年5月 初出:HMV 47975 (matrix 14682u)
3. フェリックス・メンデルスゾーン(1809-1847):ヴァイオリン協奏曲 ホ短調 Op. 64 - 第2楽章 Andante
録音:1909年11月7日 初出:HMV 47929 (matrix 2096c)
4. フレデリック・ショパン(1810-1849):夜想曲第2番 変ホ長調 Op. 9-2(ヴィルヘルミ編)
録音:1909年11月7日 初出:HMV 47987 (matrix 15098b)
5. ショパン:ピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op. 11 - 第2楽章 ロマンツェ(ヴィルヘルミ編)
録音:1909年11月7日 初出:HMV 47988 (matrix 15099b)
6. ヨハネス・ブラームス(1833-1897):ハンガリー舞曲第5番 ト短調(ヨアヒム編)
録音:1909年5月 初出:HMV 47973 (matrix 14681u)
7. カール・ゴルトマルク(1830-1915):ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op. 28 - 第1楽章 アレグロ
録音:1909年11月7日 初出:HMV 47928 (matrix 2095c)
8. ゴルトマルク:ヴァイオリン協奏曲 イ短調 Op. 28 - 第2楽章 アリア
録音:1909年10月4日 初出:HMV 47980 (matrix 15231u)
9. ヨハン・スヴェンセン(1840-1911):ロマンス ト長調 Op. 26(第1レコーディング)
録音:1902年 初出:G & T 47932 (matrix 912X)
10. スヴェンセン:ロマンス ト長調 Op. 26(第2レコーディング)
録音:1909年5月 初出:HMV 47974 (matrix 14679u)
11. エルンスト(1814-1865):ロッシーニの《オテッロ》による華麗な幻想曲 Op. 11 - 第1部
録音:1902年 初出:G & T 47926 (matrix 913X)
12. エルンスト:ロッシーニの《オテッロ》による華麗な幻想曲 Op. 11 - 第2部
録音:1909年10月4日 初出:HMV 47923 (matrix 01213v)
13. ヘンリク・ヴィエニャフスキ(1835-1880):華麗なるポロネーズ 第1番 ニ長調 Op. 4
録音:1909年10月4日 初出:HMV 47983 (matrix 15233u)
14. パブロ・デ・サラサーテ(1844-1908):グノーの《ファウスト》によるワルツ Op. 13
録音:1909年10月4日 初出:HMV 47981 (matrix 15234u)
15. サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン Op. 20(第1レコーディング)
録音:1902年 初出:G & T 47917 (matrix 2406B)
16. サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン Op. 20(第2レコーディング)
録音:1909年10月4日 初出:HMV 47922 (matrix 01215v)
17. サラサーテ:スペイン舞曲第8番 Op. 26-2(第1レコーディング)
録音:1902年 初出:G & T 47925 (matrix 910X)
18. サラサーテ:スペイン舞曲第8番 Op. 26-2(第2レコーディング)
録音:1909年5月 初出:HMV 47921 (matrix 1007v)
19. ダーヴィト・ポッパー(1843-1913):夜想曲 変ロ長調 Op. 32-1
録音:1909年10月4日 初出:HMV 47924 (matrix 01214v)
20. アシル・シモネッティ(1857-1928):マドリガル
録音:1909年10月4日 初出:HMV 47982 (matrix 15232u)
21. フランツ・シューベルト(1797-1828):弦楽四重奏曲 第14番「死と乙女」 - スケルツォ
録音:1924年 初出:Homochord P 5007 (matrix 51078)
22. ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(1840-1893):弦楽四重奏曲 第1番 ニ長調 Op. 11- スケルツォ
録音:1924年 初出:Homochord P 5007 (matrix 51079)
23. J.S. バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ト短調 - アダージョ
録音:1929年5月29日 初出:Electrola ES 665 (matrix CA 48)
24. リヒャルト・シュトラウス(1864-1949):歌劇《ばらの騎士》 - オックス男爵のワルツ(タウプマン編)
録音:1931年6月 初出:HMV C 2294 (matrix 2L301)

【演奏】
アルノルト・ロゼ(ヴァイオリン)
ピアノ伴奏(演奏者不明)…1-20
ロゼ弦楽四重奏団…21、22
パウル・フィッシャー(第2ヴァイオリン)、
アントン・ルジツカ(ヴィオラ)、
アントン・ヴァルター(チェロ)
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団…24
カール・アルヴィン(指揮)…24

復刻プロデューサー:Eric Wen
復刻エンジニア:Raymond Glaspole
マスタリング:Andrew Walter

総収録時間:約75分

カテゴリ : ニューリリース