吉村秀樹(bloodthirsty butchers)×映画監督・川口潤
[ cross talk ]
bloodthirsty butchers主演の長編ドキュメンタリー映画「kocorono」。過去の映像を交えながら、最新アルバム『NO ALBUM 無題』完成後のおよそ1年を追いかけたこの作品には、結成から二十余年、強いオリジナリティーを放ちながらゴールの見えない道のりをひたすら走り、転がり続けてきた彼らならではのタフな生き様と息遣いが生々しく映し出されている。今年2月から劇場公開され、多くのロック・ファン、バンドマンを熱くさせたこの作品がこのたびDVD化されるにあたって、bounceではバンドのフロントマンである吉村秀樹と川口潤監督によるスペシャルな対談をセッティング! 制作風景を振り返ってもらった。
趣味の延長みたいな
──お二人の交流はいつ頃からなんですか?
川口「96年に僕がスペースシャワーTVで働き出して、その年にブッチャーズが『kocorono』を出して、そのレコ発ライヴを取材させてもらったのが最初ですね。その後は、僕が担当していた番組に出てもらったりとか」
吉村「まだ、好きに番組を作れた頃だったよね」
川口「そう、好き勝手作ってました(笑)」
吉村「あの頃って、まだスペシャとか観られる人少なかったでしょ」
川口「僕も自分ちで観れませんでしたから(笑)。観たこともなかったのに働き出したっていう」
吉村「だいたい、スペースシャワーTVって存在すらよくわかんなかったからなあ」
川口「だから、取材するにしても、最初から〈好きで来てる〉って感じで捉えてもらってたと思うんですよ。仕事ではあったんですけど、僕自身も仕事として会いに行ってた感覚ってほとんどなかったですから。で、僕は2000年にスペースシャワーTVを辞めたんですけど、そのあともちょくちょくライヴに招いてもらったり、時間があるときには撮影もさせてもらったり、PVの監督をやらせてもらったりっていう、ほとんど趣味の延長みたいな感じで付き合いながらいまに至ってるところですね」