INTERVIEW(3)——楽曲ごとに異なるピアニストを
楽曲ごとに異なるピアニストを
——さて、今年の春にファースト・ミニ・アルバム『Portrait』を出して、今回早くもセカンド・ミニ・アルバム『Portfolio』をリリースするわけですけど、ここに入ってる曲はいつぐらいに書かれたものなんですか?
「2枚ともだいたい同じ時期に書いてるんですが、ファーストの『Portrait』は中学生の時に書いた曲が多いですね。地元のことを思った曲とか、中学校の友達との関係を歌った曲が多い。『Portfolio』はちょっとだけ世界観が広がった感じですかね、ちょこっとだけ(笑)」
——曲作りはすべてご実家で?
「そうですね。実家のピアノがある場所がいちばん落ち着けて、曲を生み出しやすい環境なんです。ピアノの横に窓があって、外の景色も見えるんですけど、そこでピアノを弾きながらずっと練習してきたので、そこのイスに座ると落ち着く。キーボードを持ち出して他の場所で曲を作ろうと何度か試みたことはあるんですけど、やっぱりそんなに浮かばなくて。実家のほうが素直にメロディーが出てきますね」
——枕が変わると眠れないみたいな。
「そうですね、そういう感覚です。ピアノのイスに座って、外の景色を見ながら歌詞を思い浮かべたりもしてるし、それが雨の日もあれば晴れの日もあり」
——『Portrait』も『Portfolio』も、楽曲ごとに違ったピアニストの方をフィーチャーされてますよね。こういう試みは、楽曲のニュアンスに幅を出したいというところからなんでしょうか?
「ピアノは私が曲を作るきっかけになったものではあるし、大事な楽器なので、ピアノと声だけでやりたいっていう気持ちは強くあったんですけど、全部自分のピアノでやっちゃうと何か物足りないものになっちゃうかなって思ったので、素晴らしいプレイヤーの方がひとりひとり別の曲をやることによってものすごく幅が出るんじゃないかと。自分で作ってきたイメージとはまったく変わっていて、また新しい曲を歌ってる感じがしてとてもおもしろかったです。こんなアレンジの仕方もあるんだとか、こんな弾き方もできるんだって、毎回勉強になってます」
——声とピアノというシンプルな構成の楽曲で、ミニ・アルバムはいずれも6曲……ではあるけれど聴き応えがありますね。
「プレイヤーのみなさん、さすがだなって思いましたね。私の作ったデモを聴くと、全体的にあまり深くないような気もするんですけど、みなさんのピアノ・アレンジが加わることによってそれぞれがまったく違う色を持って、同じような曲には絶対ならない。ひとりひとりピアノの弾き方が違うので、それを聴くのもすごくおもいしろいと思います」