LONG REVIEW——VARIOUS ARTISTS 『RED DIAMOND tribute to yukihiro takahashi』
ジェイムズ・イハも参加した、超豪華メンツ揃い踏みの高橋幸宏トリビュート・アルバムをついでに紹介!
インタヴュー中にも登場した、ジェイムス・イハが参加している高橋幸宏のトリビュート・アルバム『RED DIAMOND tribute to yukihiro takahashi』。国内外のアーティストが幸宏ナンバーをカヴァーするなか、イハが選んだのは2006年に発表されたアルバム『Blue Moon Blue』から“Where Are You Heading To?”。ヴォーカルからトラックメイキングまで自身が手掛けていて、手作りの温もりに満ちた〈ウォール・オブ・サウンド〉風の仕上がりだ。また、小山田圭吾+砂原良徳+TOWA TEIによるスペシャル・ユニット、O/S/Tの“Drip Dry Eyes”はロマンティックな正統派エレクトロ・ポップ仕立てで、青春時代にリアルタイムで聴いていた3人の幸宏曲への愛着が伝わってくるようだ。しかもヴォーカルには、高橋お気に入りのラリ・プナからヴァレリー・トレベルヤー嬢がフィーチャーされている。
さらにスペシャルな企画として、GREAT3の高桑圭と白根賢一、HICKSVILLEの小暮晋也が80年代に活動していたWOW WOW HIPPIESがLEO今井を加えて再結成。ダンサブルな“What Me Worry?~It’s Gonna Work Out”をケミカル・ブラザーズ“Setting Sun”風のサイケデリックな味付けでパワフルに聴かせてくれる。その他にも鈴木慶一やpupa、スティーヴ・ジャンセンといった気心の知れた仲間たち、ヒダカトオルや東京スカパラダイスオーケストラといった豪快なバンド・サウンドを聴かせる面々も交えつつ、ラストは坂本龍一と細野晴臣のユニット=MOで幕。そんな多彩な面々のカヴァーからは、繊細さと洗練という高橋幸宏の音楽の魅力が滲み出ている。
▼文中に登場したアーティストの作品を紹介。