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On-U

ディスクガイド――(1)

連載
Discographic
公開
2012/01/04   17:59
更新
2012/01/04   17:59
ソース
bounce 339号(2011年12月25日発行号)
テキスト
ディスクガイド/カシワサン、栗原 聰、西尾洋儀、山西絵美


CREATION REBEL 『Starship Africa』 (1980)

ヒット・ラン時代から続くOn-Uバンドのサード・アルバム。当初は4Dリズムスから出ていた。ドクター・パブロやクルーシャル・トニーに加え、ドラムスにスタイル・スコットが参加。逆回転させたテープにランダムに加えられるリヴァーヴ&ディレイ。古臭くない。 *栗原

 

SINGERS & PLAYERS 『War Of Words』 (1981)

当初USの99から出ていたファースト・アルバム。プロデュースにエイドリアン、エンジニアにはデニス・ボーヴェル。緩い集合体のようなもので、アリ・アップやスタイル・スコットら要人が絡む。ビム・シャーマンが写るジャケは、本人はあまり気に入ってなかったとか。 *栗原

 

BIM SHERMAN 『Across The Red Sea』 (1982)

ルーツ系シンガーの直球レゲエ盤。タメの効いたルーツ・ラディクスの演奏が、メランコリックな歌声の魅力を引き立てていて味わい深い。ストレンジャー・コール“Just Like A River”のカヴァーなど、シンプルな歌モノを作らせてもOn-Uは一流であることを証明している。 *西尾

 

NOAH HOUSE OF DREAD 『Heart』 (1982)

事実上アフリカン・ヘッド・チャージのボンジョ・アイによるソロ・プロジェクトは、ルーツ色が強く有機的でスピリチュアルなサウンドだ。On-Uのディスコグラフィーでも異様に温もりのある素朴なアルバムと言える。リラックスして聴きたい一枚。 *栗原

 

MARK STEWART & MAFFIA 『Learning To Cope With Cowardice』 (1983)

ポップ・グループを過去のものとした彼もOn-Uに欠かせない。エイドリアンとの共同制作による1作目。ありきたりのフォーマットから逸脱する変則ビートと響き渡るエコー。1年以上もの間、テープの切り貼りをしていたというのだからビビる。 *栗原

 

AFRICAN HEAD CHARGE 『Drastic Season』 (1983)

レーベルの看板アーティストによる3作目。呪術的なビンギ・ドラムや金属音に冷たいダブ処理が施され、その静かな狂気を孕んだ音像はフリージャズにも似た雰囲気が。〈カテゴライズしにくい〉という意味でOn-U的であり、エイドリアンの手腕が冴えまくた一枚と言えよう。 *西尾