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30年前の近未来POP

連載
360°
公開
2012/05/02   00:00
更新
2012/05/02   00:00
ソース
bounce 343号(2012年4月25日発行)
テキスト
構成/編集部 文/轟フィラメント


30年前の人たちはどんな未来を想像していたのだろう?



2012年、こんな未来に自分が立っていると思っていましたか? 街の風景そのものや社会情勢もそうですが……いま鳴っている最新の音楽は、過去にあなたの夢想した未来の音楽ですか?

年季の入ったリスナーなら、変化と揺り戻し、進化と見直しが繰り返されていく様子を何となく追いかけているでしょうから、何もかもがそこまでドラスティックに変わるものではないことをご存知でしょうし、進化することだけが進化じゃないという事実もよく見えていると思います。が、一方で、この15年ほどは80年代サウンドのリヴァイヴァルが完全に定着したこともあって、逆に30年前に制作された音楽と、30年後の最新の音楽の間に予想以上に時差が感じられなかったりすることも多いでしょう。乱暴に言ってしまえば、30年前の音楽が見据えた未来が、30年後の2012年に現実化されているということでもあるのではないでしょうか?

そこで今回タワレコの店頭キャンペーンとして展開されるのが、その名も〈ニッポンのNEW WAVE POP特集〉です。まずキャンペーンの目玉となるのは、P-MODELがワーナー時代にリリースしたシングルをCD化してワンセットにした『Warner Years Single Box』。これはタワレコ限定でのリリースなのですよ! また、解凍後のP-MODELがリリースした2枚のアルバムもタワレコ限定でリイシュー。それ以外にもすでに復刻済みのアルバムやメンバーのソロ作などもキャンペーン対象になっていますので、ぜひ店頭でチェックしてみてください。

他にも、なぜかすぐ廃盤になってしまうプラスチックスのオリジナル・アルバム3タイトルもタワレコ限定でめでたく復刻。さらにはパール兄弟の1〜4作目をタワレコ限定で再プレス……と、30年前の未来が次々に甦ってくるのです。他にもヒカシュー、ジューシィ・フルーツ、YMO、ゲルニカ、ヤプーズ、近田春夫&ハルヲフォン、一風堂、有頂天といったアーティストたちの、その時代に興味を抱きはじめた人には嬉しいスタンダードな作品たちがズラリとラインナップ。具体的なカヴァーが多いのはもちろん、現代の音楽にもサウンドやアレンジが余裕で通じまくるものばかりで、予備知識ナシで聴いてみたら、いったいいつの音楽なのかわからなくなるかも。そう、あなたはいま未来にいる……のかもしれませんよ!



▼関連盤を紹介

左から、レコライドの2012年作『mp3の断末魔』(aorizm)、パスピエの2011年作『わたし開花したわ』(COCONOE)、やくしまるえつこの2009年のシングル“おやすみパラドックス”(キング)、Aira Mitsukiの2008年作『COPY』(D-topia)、アーバンギャルドの2011年作『メンタルヘルズ』(ユニバーサル)

 

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