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30年前の近未来POP

キャンペーン作品から定番まで、30年前に見た近未来の夢をいま覗き込んでみよう!――(1)

連載
360°
公開
2012/05/02   00:00
更新
2012/05/02   00:00
ソース
bounce 343号(2012年4月25日発行)
テキスト
ディスクガイド/北野 創、轟フィルム、鈴木智彦


P-MODEL 『Warner Years Single Box』 ワーナー

デビュー曲“美術館で会った人だろ”から“ジャングルベッドII”までのワーナー時代に残したシングル4作品がこのたびタワレコ限定でボックス化! いま聴くと少しチープなピコピコ音と、若々しいながらいま聴いても鮮烈な平沢進の歌声が時代性を超越して響く、永遠のテクノ・ポップ・クラシックがここに! *北野

 

P-MODEL 『カルカドル』 アルファ/ソニー (1985)

初期メンバーの田井中貞利が脱退、後任に荒木康弘&横川理彦の2名が加入して制作された6作目。新メンバーのもたらした〈ワールド・ミュージック〉的なエッセンスが楽曲にトロピカルな躍動感を与え、平沢進も持ち前のひねくれた趣向のポップセンスを存分に発揮。ふたたび颯爽と疾駆するP-MODELを味わえる! *鈴木

 

P-MODEL 『ワン・パターン』 アルファ/ソニー (1986)

メンバー交替がめまぐるしく繰り返されるなかで制作された7枚目のアルバムは、バンドから平沢進のソロ活動へ向かう過度期的な作品。新メンバーが大活躍した躍動感溢れる前半、平沢楽曲のモチーフとなったシニカルさとエキセントリックさが巧みに融合されたナンバーが連続する後半、共に聴き応えたっぷり! *鈴木

 

P-MODEL 『P-MODEL』 ポリドール (1992)

平沢進が3枚のソロ作を発表する間は活動を〈凍結〉していた彼らが、オリジナル・メンバーである秋山勝彦の復帰を受けて〈解凍〉。初期P-MODELのピコピコ・ポップなテクノ・サウンドと、平沢のソロ作での実験性が高度にブレンド。デビュー曲“美術館で会った人だろ”のフレーズが登場するラスト・ナンバーにファンは感激! *鈴木

 

P-MODEL 『big body』 ポリドール (1993)

左の活動再開盤『P-MODEL』とほぼ同路線、同メンバーで制作された〈解凍〉後の第2作。ピコピコとめくるめくテクノ・ポップ・サウンドに乗せて、人類がコンピューター・ネットワークで新しい人類〈ホモゲシュタルト〉として統合する、という近未来の世界を予言したようなコンセプトを展開している。*鈴木

 

ヒカシュー 『ヒカシュー』 東芝EMI/ブリッジ (1979)

劇団・ユリシーズを主宰する巻上公一の異能、異才ぶりがいきなり大爆発するファースト・アルバム。ロキシー・ミュージックやクラフトワークの音楽性を、シアトリカルな演劇性を備えた異色のバンドにあてがってみせた近田春夫のプロデューシングも冴え渡る、日本の近未来ポップにおける不滅の名作。*鈴木

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