ワン&オンリーな我流のスタイル
まったくモチヴェーションを下げることなくコンスタントに作品をリリースし、激熱な名古屋地区のシーンを牽引しているM.O.S.A.D.のMC、"E"qualが、MSに移籍して放った『STAY GOLD』から1年ぶりとなる新作『12 Tone Apartment』を完成させた。ヒップホップだけに留まらず、ロックやUSストリート・カルチャーなど自身の嗜好を強く反映させた雑多なスタイルでシーン内でもワン&オンリーなステイタスを築いている彼だが、全曲セルフ・プロデュースだった前作に続き、今作も大半のトラックをみずから制作している(その他には同郷からDJ RYOWとNATOがプロデュースで参加)。
収録の12曲すべてに楽曲イメージに合わせた個々のアートワークを制作していることからもわかるとおり、12の異なるストーリーをコンパイルしたような作品になっている。NATOの手掛ける現行USシーンを意識したような“Party Over Here”や、盟友であるAKIRAとのコラボ“Speakers & Flyers”といったハードなヘッドバンガーから、Full Of HarmonyとTinaをフィーチャーした荘厳なムードの漂う“Today Was A Good Day”のようなソウルフルな曲まで、内容はよりいっそう多彩に。またエッジーなラップの破壊力だけで捻じ伏せられてしまうような“Re: Gunsmoke”や“Original No.1”、故TOKONA-Xの声をサンプった“Hip Hop Junkies”あたりにはコアなヘッズもグッとくるだろう。
▼"E"qualの2011年作『STAY GOLD』(MS)