次代を担うエネルギッシュな逸材
07年に行われたAK-69主催のマイク・コンテスト優勝を経て2009年にMSからデビューし、以来順調に作品を重ねてきた岐阜のラッパー、A-1。1月の『NEVER MIND』に続いて、彼が今年2枚目となるアルバム『READY OR NOT』を早くも完成させた。
通算4枚目を数えるアルバムとあって、歯切れの良いマイク捌きがまっすぐに力を届ける。まず、“FEEL MY SELF”は、歌を盛り込んだスタイルの完成型と言えようか、 AK-69の向こうを張る曲作りで〈We Can Change The World〉と歌い、みずからの覚悟を滲ませる。それと共に、エレクトロニックなトラックに客演勢を迎えマイクを回す“HOOD NUMBER”に見る、勢い込んだラップぶりもアルバムの魅力。ラップには一日の長がある"E"qualのプロデュース/客演のもと、つんのめりそうなビートに前のめりなテンションをあおる“TELL ME WHAT YOU WANT”は、エネルギーの極みだ。
〈まさに高い高み目がけ畳みかけるこのVIBESでLIVE/狭き道を照らせ幅きかせるこのSTYLEでFLY〉(“BACK TO DA FUTURE”)——そんなラインを地で行き、MSの次代を担うべく足場を固めた一作だろう。
▼A-1の作品。
左から、2009年作『The Words Of A Song』、2010年作『NEW LIFE, NEW STYLE, NEW MUSIC』(共にMS)