インタビュー

INTERVIEW(1)――ありのままのRie fuをこめたアルバム

 

ありのままのRie fuをこめたアルバム

 

──リリースごとにミュージシャンとしての器量を上げているRie fuさんですが、今作はついにセルフ・プロデュースでのアルバムとなりました。これは以前から考えていたことだったんですか?

「そうですね。前作の『URBAN ROMANTIC』を作る前から具体的に考えていて、レコーディング中にエンジニアの方からいろいろ教えてもらったりしながら知識をつけたり、機材も少しずつ準備をしていって」

──そもそも、自分自身でプロデュースしようと思ったきっかけは?

「楽曲が完成されていくにつれて、どうしてもデモで作った当初の感じが薄れてしまうというか、イメージが変わってきてしまうので、それはそれで良い ことなんですけど、ありのままのRie fuらしさみたいなものも最終的な形としてリリースしたいなって。そういう気持ちがずっと前からあったんです。『URBAN ROMANTIC』では信頼するプロデューサーの方に、私が作ったデモの〈隙間〉を良い意味で埋めてもらって、すごく完成度の高いものに仕上げていただい たんですけど、セルフ・プロデュースをするにあたっては、その〈隙間〉をあえて活かそうとか、作った部屋の空気感とか、歌声もそうなんですけど、リラック スした感じっていうのをあえて詰めようって。セッション相手のアーティストによっても作られる空気感が違うので、音だけじゃなく、〈空間がこもってる〉ってい う、そういうアルバムにしたかったんですね」

──制作の取り掛かりはどんな感じだったんですか?

「最初は……去年、井上陽水さんのツアー(Rie fuがコーラスで参加)がスタートした時にこの作業を始めたので、いっしょにコーラス隊をやってた我那覇美奈さんとMAYUMIXさんを呼んで、“いろ どって”という曲を録ったのが初めの作業ですね。曲自体は2、3年前ぐらいからあったものもあって、いちばん古いのは“Gilles”っていう、大学時代 に〈CMソングを作る〉っていう課題のために作った曲ですね」

──手元の資料では、“いろどって”もCMソングを意識して作った曲だそうで。

「そうですね。化粧品のCMソングになったらいいなあ……って感じで作りました」

──テーマを設けて、そこに向けて曲を作ったりするのが得意だったり?

「そういうのは楽しかったりしますねえ。本とか映画を観て、その主題歌を勝手に作ろうとか……音楽以外のものから曲が生まれたり、引き出されることはすごく多いですからね」

 

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掲載: 2010年03月31日 18:00

更新: 2010年03月31日 18:04

インタヴュー・文/久保田泰平