インタビュー

LONG REVIEW――Rie fu 『at Rie sessions』

 

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初めて会った時のRie fuはまだ高校を卒業したばかりだったのだけど、ほんわかとしたお嬢さんっぽい外見とは違い(?)、音楽に対するみずからの理想のカタチ――オーソドックスなシンガー・ソングライターであることはもちろん、例えば〈オール・トゥモローズ・パーティーズ〉にリンクするような音楽にも常にアンテナを張っている ――をすでに持っていた。

あれから6年――その間に4枚のオリジナル・アルバムを発表し、ロンドンの美術大学も卒業。井上陽水のツアーにも参加するなど、さまざまな経験値を得ることによって、彼女は自分の音楽的ヴィジョンをダイレクトに具現化するための方法論とテクニックを身に付けて きた。その成果は、総勢23名のアーティストが参加したコラボレーション・アルバム『at Rie sessions』にも表れている。

LEO今井との美しいコーラスワークが印象的な“Just Like You”(Rie fu & LEO今井)、心地良いサイケデリアを感じさせる“My Start”(Rie fu & 竹本健一、ピーター・クヴィント)から、牧歌的な雰囲気の合唱曲“ひとつひとつ”(Rie fu & 星羅、椎名純平、クリス智子、紗希)まで、年齢、国籍、ジャンルを超えた個性的なクリエイターとのセッションは彼女自身の才能を大きく解放し、豊かな広がりを持つ音楽へと結び付けた。オーセンティックなソングライティングと斬新なサウンドメイクを共存させる彼女のセンスがストレートに表現された、極めて魅力的なポップ・アルバムだと思う。

 

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掲載: 2010年03月31日 18:00

更新: 2010年03月31日 18:04

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