インタビュー

INTERVIEW(4)――音楽は明るいものであってほしい

 

音楽は明るいものであってほしい

 

──“Bright Life”は、Rie fuさん自身が〈こうなりたい〉と願ってることを歌にしたものだそうで。

「今回のアルバムでいちばん強調したかった自分の気持ちっていうのが、音楽は明るいものであってほしいっていうことで。自分の創作活動のなかで、絵 を描くことはすごく内面に向かった、わりとドロドロしたものを表現してもいいところだと思ってるんですけど、音楽は逆に、外に向けて歌詞を書いていて。ネ ガティヴなことを書いたらそれが本当のことになっちゃうんじゃないかっていう持論もあるし、なんか予言というか、気の持ちようというか、自己暗示という か……そういう言霊みたいな力があると思っているので、たくさんの人に聴いてもらえる音楽っていうのは明るいものじゃないとプラスのエネルギーが出なくて 意味がないと思ってるんです。願いを歌にするということは、自分も前向きになれるし」

──最後の“ひとつひとつ”は合唱パートが入った曲、人と人との繋がりという点では、いちばん大きな繋がりができた曲ということになりますね。

「身の回りの友達とか、レーベルのスタッフの方にも参加してもらって、このアルバムの集大成のような曲になったという感じですね。温かさがある曲。 ひとりひとりの声が個性的で、白いキャンヴァスの上にその声を散りばめたというか、それでカラフルな作品が出来た。それぞれの個性を、お互い歩み寄って合わ せるんじゃなくて、あえてその個性を曲げずに出してもらうことで、より鮮やかな色が出るんだなあって。コラボだからって相手に合わせたりとか、普段と歌い 方を変えたりとかっていうのは一切考えずに、相手にもそういうことを伝えて、思いっきりそれぞれの個性を出してもらいました。本当にこのアルバムを象徴す る1曲になりましたね」

──セルフ・プロデュースということもありますけど、アルバムの出来そのものに大きな達成感を感じてるんじゃないですか?

「達成感というか、自分の気持ちの入り具合というか、密度はすごく濃いですね。いままでは才能ある方たちに囲まれて、ある意味すごくそれに安心感が あって自信にもなってたんですけど、今回は囲まれているものがない、全部自分で責任を持って作ったということで、また違った満足感があります。満足度とい う点ではいままででいちばん高いんですけど、自信度っていうのは、リスナーの方のリアクションによってそれが決まってくる。期待はあるけれども、ちょっと ドキドキみたいなところも少しはありますね。ある意味、それが自然な届け方っていうか、押しつけがましくないというか、それも〈セッション〉っていうこと なんだと思います」

 

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掲載: 2010年03月31日 18:00

更新: 2010年03月31日 18:04

インタヴュー・文/久保田泰平