INTERVIEW(1)――いい大人が毎週必ず会ってバカ騒ぎ
いい大人が毎週必ず会ってバカ騒ぎ
――まずは結成当初のメンバーだった中瀬(賢三)さんが2008年に再加入した経緯から教えてください。
向 達郎(ヴォーカル)「賢三は元々オリジナル・メンバーだったんですけど、千葉を離れるというので、代わりにBUDDHISTSONのベースの上沼(靖彦)君にお願いしてカモメに入ってもらったんです。その後に彼もいろいろあって、BUDDHISTSONとカモメの二つはできないから、BUDDHISTSON一本に専念したいっていう話をされて。それで後任を決めなきゃいけなくなって、すぐに思いついたのが賢三だったんです。その時はもう千葉に戻ってきてたんで、〈もう一回どう?〉って話を振って、また入ってもらったって感じですね」
――これまでのカモメの作品にも参加はされてましたよね?
向「普通に仲が良いんですよ」
――それこそヌンチャクとSWITCH STYLEの時代からの付き合いですもんね。
向「ですよね。十代の頃から知ってるし、スウィッチのなかでも賢三だけすごく仲が良くて、いっしょに飲みに行ったりとか、普通に友達で」
――じゃあ再加入もすんなり決まったんですか?
向「俺が話をした時点で、心のなかでは〈ああ、そうか、またやるんだな〉って思ったらしいんですけど、身の回りのこともあっただろうし、その時すぐにオッケーはもらわなかったんです。彼にとっては、これまでのカモメが出してる2枚のアルバムっていうのがすごく大きかったらしくて、いまの自分が入るにはそれなりの覚悟が必要だと思ったらしく、そういう気持ちの整理とか……でもそんなに時間はかかんなかったですけどね」
――いざいっしょにスタジオに入った時はどんな感じでした?
織田壮一郎(ギター)「最初は前のベースといっしょに入ってたんですね。バツッと切れて、〈ここからは賢三さん!〉っていうふうにはならなかったんで、自然と溶け込んだとは思うんです」
向「いちばん苦労したのはやっぱり嶌田(“Marcy”政司:ドラムス)じゃないですかね。ベースが変わるってことは180度変わっちゃうってことだから。前のやっくん(上沼)と嶌田はBUDDHISTSONでもいっしょだったから、知れてる仲だったし。だいぶ苦労したとは言ってましたね」
――賢三さんが再加入された同じ年の年末にSWITCH STYLEの復活ライヴがありましたよね。その前の年にはヌンチャクも復活してて、ちょっと過去を振り返るような時期だったのかな?と思うんですけど。
向「いや、あれはホントたまたま重なって。ヌンチャクの再結成なんてノリだったし。カモメの打ち合わせの流れでヌンチャクのBOXを出すっていう話があって、〈やんないと思うけど、再結成とかやる?〉って言われた時に、〈やろうかな〉ってその時ふと思ったんですよ」
――賢三さんとお互いのバンドの再結成について話をしたりとかは?
向「いや、全然。〈みんな元気だった?〉とか、その程度(笑)」
――(笑)そうなんですね。あと去年はdeepslauterとFUCK YOU HEROESとのスプリットと、それに伴うツアーもありましたね。
向「あれは楽しかったですよ。すごい楽しかった。週末を利用して行ってたんですけど、週末が待ち遠しいとはこのことか、っていう(笑)。いい大人が毎週毎週必ず会ってバカ騒ぎして、〈じゃあまた来週ね!〉っていう、子供じゃないんだから、っていうそのテンション(笑)。楽しかったよねえ、あれは」