インタビュー

RYUKYUDISKO(3)

歌モノを入り口にして自分の世界に連れていきたい

――なるほどね。実は『pleasure』とDachamboの最新作『L』には共通点があると感じていて、どちらもポップであることをすごく意識しているように思えたんですよ。個人的にはそのシンクロ感にすごく興味があったんですけど。

哲史「う~ん……より多くの人に届けたいってのが大きかったんじゃないですかね。マニアックだったり、コアな部分を持っているってのは重要だけど、伝え切れてないって部分もあって……そのためには歌モノやポップなもので、フェスやクラブに来るお客さん以外にも伝えたいなって思いが常にあったんですよね」

AO「うん、間口は広いほうがいいからね。うちらも意識してってわけではないけど、せっかく作るなら間口を広げて、こういう音楽を普段聴かない人も〈おもしろいじゃん!〉って思えるように作れたらってのはありましたね」

HATA「アルバムによってだよね。その時その時の興味で、おもしろいことをやってるってだけでね。大きな流れってわけでもなくて、なんせ6人いるから、そのなかで集まって出てくる音をパッケージしているって感じですね」

――具体的に『L』でめざしたことは何だったんですか?


Photo by RyoNakajima(SyncThings)

HATA「ポップというか……」

AO「歌モノが増えた」

HATA「ビートルズの持っているサイケ的な表現にチャレンジってのがあったのかな」

AO「歌の広がりっていうかね。そこに興味を持っていて、6人全員がコーラスやったらどうだろうとか。6人全員が違うことを歌ったり、そういう遊びや実験をした結果が『L』になったという感じですね」

HATA「いままでも〈声〉という音は入ってたんだけど、歌詞カード的なものはなかったんですよ、でも、『L』に関しては、歌詞を言語として採り入れることに比重があったりしたんじゃないかな」

AO「言葉遊びを含めてね」

哲史「その部分で言うと、普段テクノやクラブ・ミュージックでは声をサンプルで使っているんですけど、今回はもっと歌として捉えられるような作品作りにしているっていうのはありますね」

陽介「歌モノ自体は元々やろうとは思っていて、実際にやっていたんだけど、ここまで曲数が増えたのは初めてなんですよ」

――ほとんど歌モノですもんね。今作って。

陽介「HATAさんやAOさんが先ほども言われていたんですけど、2人だけでもブームってのはあって、今回はデモを作り溜めているなかで歌モノの比率が高まっていたんですよね。メロディーから先に作ることが多くなっていた」

HATA「実際すごいポップだし、かなり幅広い感じになっているよね?」

AO「で、後半ドープさもあってさ」

哲史「嬉しいですね! そのへんなんですよね。そういう狙いがあって、歌モノを入り口にして自分の世界に連れていきたいって思いは強かった。実際にそう仕込んでますからね」

カテゴリ : .com FLASH!

掲載: 2009年09月24日 19:00

文/佐藤 譲