INTERVIEW with 石井秀仁（2）――俺は何でも歌うんだけど

俺は何でも歌うんだけど

――では続いて、青さんが書かれた〈初恋中毒〉についてですが、石井さんは、この曲にも関わっていらっしゃるとのことで。

「一切何もしてないです（キッパリ）」

――えっ?　青さんが、コーラスは石井さんが……って。

「いえ、一切何もしてないです。ホントに何もしてないです（キッパリ）。コーラスってあれ、俺が歌ったらもっと上手いですよ」

――石井さんが歌われているのではないことはわかってます（笑）。コーラスのディレクションですかね。

「ああ、コーラスを録るときにはエンジニアの方がいますから、やっぱりエンジニアの方に任せるとですね、ホント、どんどん上手くなっちゃう。でもそんなに上手かったら魅力が半減してしまうから、ちょっとトボけた感じがいいだろうってことでね、もう〈いいんじゃないですか?〉〈いいんじゃないですか?〉ってね、〈バッチリ、バッチリ〉って、こう（ポンポンとボタンを押す仕草）……ね（笑）」

――そのちょっとトボけた感じっていうのは、あれはハマりますよね。そのコーラスのところで爆笑しましたが。

「おもしろいですよね。もう40歳にもなろうかという人が、あの歌詞を書き、あの歌を歌うか、みたいなね」

――最初は石井さんが歌うという案もあったらしいですが。

「全然俺、歌いますよ」

――そこにこだわりはないというか。

「まあ自分じゃあ間違ってもこういう歌詞は書かないけど、青さんは好きなこと書いたらいいじゃないですか。なんかね、何を躊躇してるのかわかんないけど、青さんのなかに俺の勝手なイメージみたいなのがあって、〈石井さんには歌わせられない〉とか言うことが多くなってきてたのね、再結成後は特に。俺は別になんでもいいんだけど、って。俺、昔から〈この歌詞やだよ〉って言ったこともないし、勝手にね、俺を小難しい人にしないでくれと。もう好きなように書いていいよ、って。俺はそれをね、イヤイヤっぽい感じで歌うからって（笑）。それで成り立つバンドじゃないですか。そういう部分を損なうとおもしろくないから。〈恋愛偏差値26〉みたいなことをね、俺の声で、俺が真面目に歌ってたらおもしろいでしょ?　それでいいじゃないっていう。だから、そのヴァージョンもあるでしょうね」

――あるんですか!?

「う……うん。全然やりますよね」

――あと、ちゃんと歌詞を覚えてらっしゃるんですね。〈恋愛偏差値26〉って。

「あまりにも衝撃だったから（笑）。〈おいこれ、すごいね〉と思って」