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ダヴィド・オイストラフ、スヴャトスラフ・リヒテル『【1968-69】ライヴ・レコーディングズ』『【1972】ラスト・レコーディングズ』SACDハイブリッド タワレコ限定 2026年9月11日発売

掲載: 2026年08月07日 12:00

オイストラフ&リヒテル

タワーレコード・オリジナル企画盤 VICTOR x TOWER RECORDS
渋谷店クラシックフロア リニューアル2周年記念
<リヒテル生誕111年記念企画> 最終第4弾

国内盤SACDハイブリッド


巨匠リヒテルのビクター音源を、当時のディレクター野島友雄氏の監修によりSACDで最新復刻!今回の復刻は収録場所、録音順にほぼ準拠した構成とし、各アルバムを集成しました。全8作完結編。
1. 【1968-69】オイストラフ=リヒテル ライヴ・レコーディングズ
フランク:ヴァイオリン・ソナタ(1968年)、ブラームス:同第3番(1968年)、ショスタコーヴィチ:同(1969年初演時ライヴ)
2. 【1972】オイストラフ=リヒテル ラスト・レコーディングズ
ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ第2番、プロコフィエフ:同第1番、バルトーク:同第1番
以上、各モスクワ音楽院大ホールでのライヴ
ダヴィド・オイストラフ(Vn)、スヴャトスラフ・リヒテル(P)


ビクター所蔵のアナログ・マスターテープからSACD層はダイレクトにDSD化。CD層はDSDでデジタル化後、
出来るだけ工程ロスを減らしたピュアな方法で44.1kHzに変換してマスターを作成。原音に忠実にマスタリング
<仕様>:SACDハイブリッド、ジュエルケース仕様、盤面緑色仕様、オリジナル・ジャケット・デザイン
採用(ビクター)。伊熊よし子氏による新規序文解説と初出時の筆者による解説(一部)も復刻
SACDハイブリッド 永久保存盤 各税込\3,300 世界初SACD化
音源:ビクターエンタテインメント、マスタリング・エンジニア:袴田 剛史氏(FLAIR MASTERING WORKS)
2026年9月11日(金)リリース予定
企画・販売:TOWER RECORDS   制作・発売:ビクターエンタテインメント株式会社

ビクターとのSACD化企画としまして、2026年に生誕111年を迎えたリヒテルのビクター音源を2026年5月から復刻してきました。リヒテルのビクター音源はこれまでも他社で一部SACD化が行われておりますが、今回の機会に、ビクターから発売できるリヒテルの他の音源まで広げ、第3弾まで計6タイトルをリリースしてきたところです。今回、シリーズの完結編としまして、オイストラフとの2タイトルを最新で復刻します。
当企画全体では音源はオイロディスクが収録したものやビクターの録音、メロディア録音等複数存在しますが、現況で発売できる各音源をオリジナルの収納形態ではなく、収録場所や年代、作曲家によりあらたに編成をし直した上で各集成したアルバムとして発売しています(テーマが統一されている一部アルバムを除く)。今回の形態はオリジナルで発売していた当時のディレクターである野島友雄氏にも確認し進められ、SACD化に際しては同氏の事前セッティング&立ち合いの元で音質に関しても監修した最新マスタリングを経て制作を行いました。当時からリヒテルの制作&録音等に携わっていた同氏による、まさに正統的な復刻となります。
今回の第4弾の2タイトルは、元々はリリース計画に無いものでした。メロディア原盤のこれらの音源は、現在では他のメロディア盤と同様にビクターに販売権が無いと認識していましたが、あらためて詳細を確認したところ、権利上発売できることがわかりました(これには野島氏も含め関係者も驚いていました)。とは言え実際の音源はすぐには見つからず、ビクターに残る他ジャンルも含めた極めて膨大な紙のリストから目視で探す必要が生じ、一時は発売を諦める状況でしたが、手作業でリストをスキャンし、AIを活用しようやくマスターテープの管理番号が判明、所在が確認された次第です。マスターテープ自体は保管状況も含め非常に良い状態でした。50年以上前に日本に送られてきたこれらのテープの使用頻度は少なく、初出時と、約40年前の初CD化時のみ使われたと思われます。今回、音質的な面も含め、現況ではこれ以上ないスペックで最新復刻を行うことができました。肝心の音質ですが、驚くほどリアルで臨場感があります。特にオイストラフに関してはこれほど状態の良い晩年の録音はあまり無いのではないでしょうか。あらたに蘇った至高の芸術の数々を高音質でお楽しみください。また今回もSACD化の過程に拘り、音楽的見地を持ってマスタリングを行い、SACDで聴くための復刻を重視しました。解説書はLP初出時のものを、一部を除いて再掲し、各新規序文解説を掲載しています。パッケージならではの永久保存盤としてお楽しみいただけます。

<今回の音源の工程に関しまして>
●SACD層:新規でビクター所蔵のオリジナル・アナログ・マスターテープから、ダイレクトにDSD化(2.8MHz)
●CD層:同様にDSDでデジタル化後、出来るだけ工程ロスを減らしたピュアな方法で44.1kHzに変換してマスターを作成
●上記一連の工程は、ビクタースタジオの袴田剛史氏ルームで2026年7月に実施
*尚、下記商品の仕様、発売日等は予告なく変更する場合がございます。
 
*尚、下記商品の仕様、発売日等は予告なく変更する場合がございます。

オイストラフとリヒテル

国内盤SACDハイブリッド


【1968-69】オイストラフ=リヒテル ライヴ・レコーディングズ (2026年マスタリング)(SACDハイブリッド)
ダヴィド・オイストラフ、スヴャトスラフ・リヒテル
[NCS88057 (1SACDハイブリッド) \3,300(税込)] POS: 4988002954483
【収録曲】 収録時間:84:45
【1968-69】オイストラフ=リヒテル ライヴ・レコーディングズ
1. セザール・フランク:ヴァイオリン・ソナタ イ長調
2. ヨハネス・ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第3番 ニ短調 作品108
3. ドミートリイ・ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン・ソナタ 作品134
【演奏者】
ダヴィド・オイストラフ (ヴァイオリン)
スヴャトスラフ・リヒテル (ピアノ)
【録音】
1968年12月28日 (1,2)、1969年5月3-4日 (3)(初演の実況録音)
モスクワ音楽院 大ホールにおけるライヴ録音
【マスタリング・エンジニア】
袴田 剛史(FLAIR Mastering Works)
【原盤】
メロディア(Mezhdunarodnaya Kniga)

<リヒテル生誕111年記念企画>
2大巨匠の奇跡の饗宴。初出時のオリジナル収録順に、CDでは初めて1枚に収録!D.オイストラフとの1968〜69録音「ライヴ・レコーディングズ」が初SACD化!20世紀究極の永久保存盤。ビクター所蔵のアナログ・マスターテープを使用し最新マスタリング!伊熊よし子氏の新規序文解説付。当時リヒテルを多く手掛けたディレクター、野島友雄氏監修による原音を追求した最新復刻
「オイストラフとリヒテルのデュオは作曲家の魂に肉薄し、ライヴからはその気概が伝わり、作品の新たな面が発見でき、作曲家の《声》が聴こえてくるようだ」 ~伊熊よし子氏による新規序文解説より


 当時のディレクター野島友雄氏監修のもと、ビクターFLAIRマスタリングワークスにおいて、電源・ケーブル類から見直した最新のマスタリングを実施。リヒテルの表現力がより明瞭に、緻密なテクニックがより明確にわかる、精細な音作りを目指しました。リヒテルの目の覚めるような演奏は、私たちを言いしれない興奮に駆り立てます。今回のリヒテルのSACD化復刻は、ビクターが原盤もしくは販売権を持つ音源を取り上げます。収録場所、録音順にほぼ準拠した構成とし、各アルバムを集成しました。
 リヒテルは各レーベルにライヴを含め多くの録音を残していますが、発売に関してはかなり厳密に吟味していたようです。収録を行ったものの、本人が演奏に納得せず実際はリリースされなかった音源も多数あるようで、前出の野島友雄氏によるとビクターで収録した音源のなかでもリリースできなかった音源やテイクは多く存在するとのことでした。時にはライヴが終了した後でも再度収録のために演奏を頭から行うなど、拘りと高い意識を常に持っていたとのこと。一般的にも完璧主義者としても認識されており、類稀なる集中力と緊張感を持って、この上なく練磨された演奏で聴き手を圧倒する印象が強いのがまさにリヒテル、そのものではないでしょうか。納得するまで追求する姿勢もまた、リヒテルを語る上では欠かせない要素のひとつと言えます。残された音源はいずれもリヒテルしか成し得ないピアニズムが活きており、聴き手も納得させられるものばかりです。
 この「オイストラフ=リヒテル ライヴ・レコーディングズ」はビクターからの発売としては約30年ぶりとなる復活で、世界初のSACD化となります。また、1969年5月3~4日ライヴのショスタコーヴィチのヴァイオリン・ソナタは、世界初演時の貴重な録音です。今回、LPでの発売以降、これまでCDでは1972年の「ラスト・レコーディングズ」の曲目と合わせ複数枚(後のBMGでの再発時も同様)でリリースされていた3曲を、国内盤CDとしては初めてオリジナル順に、1枚に収録しました。
 1968年12月28日ライヴのフランク(イ長調)とブラームス(第3番)のヴァイオリン・ソナタは、この旧ソ連の二大巨匠が共演した初めての録音です。ヴァイオリン・ソナタのピアノ・パートにおいて、リヒテルほど幅広い表現力と深遠な芸術性を感じさせるピアニストは他にいないでしょう。それを証明するのが、ここでのフランクのソナタの録音です。冒頭からリヒテルは、ゆったりとしたテンポと静謐な美しさのなかで深く幻想性に満ち、聴き手に無限の想像力を喚起するように弾き進めています。そこにオイストラフのヴァイオリンが明確な発音と、絶妙なイントネーションで加わります。曲想は徐々に高まってゆきますが、その頂点におけるリヒテルの激しい高揚と力強い打鍵は、他のピアニストたちとは次元の異なる凄まじさです。オイストラフも強烈なリヒテルに一歩も退かず、力強さと高貴さを併せ持った美音とスケールの大きな表現で応えます。フランクのソナタにおいて、これほど聴き応えがあり、かつ芸術的気品を感じさせる演奏は他に類例を見ないものといえるでしょう。第2楽章での二つの楽器の激しい応酬、第3楽章での深い幻想、第4楽章での循環主題の運命的な再現を経ての晴れやかなコーダと、いずれも素晴らしい表現です。ブラームスの第3番では、リヒテルの繊細さから強烈さまで幅の広い表現力がやはり見事で、両端楽章でのベートーヴェン的な迫力、第2楽章での深い沈潜、第3楽章の柔らかなタッチでの軽やかさなど、それぞれ楽曲の本質を衝いています。対するオイストラフは、技巧の安定性と力強さ、発音の明快さ、音色の深いコクが際立ち、ブラームスの憂愁と情熱を見事に表出しています。
 前述の通り、1969年5月3-4日ライヴのショスタコーヴィチは、オイストラフの60歳記念に捧げられた同作品の世界初演の記録です。冒頭のピアノのみによるオスティナート風の動機から、リヒテルは揺るぎない安定感と深い瞑想を感じさせ、聴き手を作品に引き込みます。やがてその動機にオイストラフが加わって表情豊かな第1主題を導き、ピッチカートによる第2主題によって音楽が高まってゆきます。その後、ヴァイオリンはスル・ポンティチェッロ奏法(駒の近くを擦る奏法)や弱音器を用いて静まってゆきますが、ここでのオイストラフの神秘的な表情や繊細な音色の変化、リヒテルとともに描き出す静謐な抒情はまさに聴きものです。第2楽章は、ショスタコーヴィチ的な辛辣かつ強烈なスケルツォ。ここでのリヒテルの明確を極めた打鍵と、オイストラフの迫力ある重音奏法との交錯は、作品の内容や効果を余すところなく音化しています。終楽章ラルゴでのピアノとヴァイオリンの激しいやりとり、アンダンテに入ってからのヴァイオリンのピッチカートによる神秘的な主題提示、ピアノのレガート奏法による主題反復の美しさ、そして両者のカデンツァを経て築かれる豪快にして雄大なクライマックスなどは、両巨匠ならではの至芸と言えるでしょう。
 今回の復刻では、ビクターが温度管理も含め厳重に保管していたビクター所蔵のオリジナル2chのアナログ・マスターテープを用い、当時も使用していたスチューダーのA-80で再生した音源をSACD層用にはDSDでダイレクトに、CD層用には同じくDSD化された音源を基に出来るだけ工程ロスを減らしたピュアな方法で44.1kMzに変換しています。製品化にあたってはスタジオでマスターテープと比較の上、DSD2.8MHz、DSD5.6MHz、DSD11.2MHz、PCMは44.1kHzから192や384等、可能な限りのレートで試聴を行った上で、DSD2.8MHzのダイレクトを採用しました。これは、SACDのフォーマットが2.8MHzのため工程で一番ロスが少ないこと(他のレートでは最終的に2.8MHzに変換するため工程が多くなる)で、楽器の質感や音色が一番アナログ・マスターテープに近かったことによります。もちろん、今回もテープの状態が非常に良かったことにより、音楽性を重視した最小限のマスタリングに留めています。そのため、本来のアナログ・マスターテープに極めて近似した音を再現できました。尚、CD層はDSD化音源を使用し調整しています(今回、全工程は広義な意味も含め「マスタリング」という言葉を使用しています)。現在の技術を用いたこの素晴らしい録音を最大限お楽しみいただけます。
 尚、解説書には初出時の一部解説と、新規で序文解説を掲載しました。また、ジャケット・デザインはビクターのLP初出時のものを採用しています。

※ タワーレコード限定販売。限定盤
※ ステレオ録音
※ SACDハイブリッド盤
※ ジュエルケース仕様
※ 2026年最新マスタリング音源使用(マスタリング・エンジニア:袴田 剛史氏、マスタリング・アドバイザー:野島 友雄氏)
※ 盤印刷面:緑色仕様
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用。使用テープとテープシートのカラー写真を解説書内に掲載
※ オリジナルマスターから起因するノイズ等がございますが、ご了承ください。
※ 解説書:伊熊 よし子氏(新規序文解説)、高橋 昭氏「オイストラフ=リヒテル」「楽曲解説」(1976年既出)他。解説書合計22ページ

オイストラフとリヒテル

国内盤SACDハイブリッド


【1972】オイストラフ=リヒテル ラスト・レコーディングズ (2026年マスタリング) (SACDハイブリッド)
ダヴィド・オイストラフ、スヴャトスラフ・リヒテル
[NCS88058 (1SACDハイブリッド) \3,300(税込)] POS: 4988002955909
【収録曲】 収録時間:80:51
【1972】オイストラフ=リヒテル ラスト・レコーディングズ
1. ヨハネス・ブラームス:ヴァイオリン・ソナタ 第2番 イ長調 作品100
2. セルゲイ・プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ 第1番 ヘ短調 作品80
3. ベーラ・バルトーク:ヴァイオリン・ソナタ 第1番
【演奏者】
ダヴィド・オイストラフ (ヴァイオリン)
スヴャトスラフ・リヒテル (ピアノ)
【録音】
1972年3月19日 (1,2)、 3月29日 (3)  モスクワ音楽院 大ホールにおけるライヴ録音
【マスタリング・エンジニア】
袴田 剛史(FLAIR Mastering Works)
【原盤】
メロディア(Mezhdunarodnaya Kniga)

<リヒテル生誕111年記念企画>
オイストラフ・リヒテル2大巨匠による、両者最後の録音。初出時のオリジナル収録順に、CDでは初めて1枚に収録!1975年のレコード・アカデミー賞に輝いた1972年録音「ラスト・レコーディングズ」が初SACD化!ビクター所蔵のアナログ・マスターテープを使用し最新マスタリング!伊熊よし子氏の新規序文解説付。当時リヒテルを多く手掛けたディレクター野島友雄氏監修による原音を追求した最新復刻
「オイストラフとリヒテルの生み出す音楽は、生きることを必死で模索し、生きながらえ、生命を輝かせた偉大な人間としての心の叫びである」 ~伊熊よし子氏による新規序文解説より


当時のディレクター野島友雄氏監修のもと、ビクターFLAIRマスタリングワークスにおいて、電源・ケーブル類から見直した最新のマスタリングを実施。リヒテルの表現力がより明瞭に、緻密なテクニックがより明確にわかる、精細な音作りを目指しました。リヒテルの目の覚めるような演奏は、私たちを言いしれない興奮に駆り立てます。今回のリヒテルのSACD化復刻は、ビクターが原盤もしくは販売権を持つ音源を取り上げます。収録場所、録音順にほぼ準拠した構成とし、各アルバムを集成しました。
 リヒテルは各レーベルにライヴを含め多くの録音を残していますが、発売に関してはかなり厳密に吟味していたようです。収録を行ったものの、本人が演奏に納得せず実際はリリースされなかった音源も多数あるようで、前出の野島友雄氏によるとビクターで収録した音源のなかでもリリースできなかった音源やテイクは多く存在するとのことでした。時にはライヴが終了した後でも再度収録のために演奏を頭から行うなど、拘りと高い意識を常に持っていたとのこと。一般的にも完璧主義者としても認識されており、類稀なる集中力と緊張感を持って、この上なく練磨された演奏で聴き手を圧倒する印象が強いのがまさにリヒテル、そのものではないでしょうか。納得するまで追求する姿勢もまた、リヒテルを語る上では欠かせない要素のひとつと言えます。残された音源はいずれもリヒテルしか成し得ないピアニズムが活きており、聴き手も納得させられるものばかりです。
 この「オイストラフ=リヒテル ラスト・レコーディングズ」はビクターからの発売としては約30年ぶりとなる復活で、世界初のSACD化となります。1972年3月19日ライヴのブラームス(第2番)、プロコフィエフ(第1番)、1972年3月29日ライヴのバルトーク(第1番)のヴァイオリン・ソナタ集。1974年10月24日のオイストラフの急逝により、結果として両者の最後の共演となった貴重なライヴ録音を収録しています。同時発売の「ライヴ・レコーディングズ」と同様、両巨匠の最良の瞬間が刻まれています。今回、LPでの発売以降、これまでCDでは1968-69年の「ライヴ・レコーディングズ」の曲目と合わせ複数枚(後のBMGでの再発時も同様)でリリースされていた3曲を、国内盤CDとしては初めてオリジナル順に、1枚に収録しました。
 ブラームスのヴァイオリン・ソナタ第2番(1886年作)は、二回り年下の歌手ヘルミーネ・シュピースへの思慕が反映された明るい曲調で知られ、それは彼女のために書かれた歌曲「早くおいで」Op.97-5が引用されていることからも明らかです。しかし、明るいだけではなくブラームスらしい複雑な陰影もあり、表現の難しい作品でもあります。リヒテルのピアノは、冒頭の音だけで作品の世界観を示すような明るさと柔らかな響きを持ち、聴き手をたちまち作品に引き込みます。そしてオイストラフのヴァイオリンは、常に変わらぬ安定しきった技巧と明確な発音を保ちつつ、ブラームスの音楽世界にふさわしい音色の憂い、深み、力強さ、絶妙なイントネーションとテンポ操作によって、前述の複雑な感情の起伏を多様に描き出してゆきます。スケルツォと緩徐楽章が融合したような第2楽章の機微や憂愁の表情が美しい終楽章をも見事に描き出しており、この難曲における最高の演奏の一つと言えるでしょう。
 プロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第1番は、オイストラフ自身が1946年に初演(ピアノはレフ・オボーリン)し、献呈を受けた作品であるだけに、まさに自家薬籠中と言える表現が聴かれます。さらに、プロコフィエフと深い交流があったリヒテルがピアノを務めていることからも、永遠に価値を失うことのない貴重な録音と言えるでしょう。二人の表現やアンサンブルも最高潮に達しており、第1楽章におけるピアノの低音主題と、それに応えるヴァイオリンの痙攣するような動機は、両楽器とも桁外れの存在感を放ち、極めて強い印象を与えます。その後、曲想が高揚した際のオイストラフによる強烈な感情表現、それを支える技巧と音色も見事の一言に尽きます。第1楽章の終盤と第4楽章のクライマックスで現れる、プロコフィエフ自身が「墓地を吹き抜ける風」と呼んだミュート付きのヴァイオリンによる音階的な動機も、極めて印象的に奏でられます。第2楽章スケルツォでの巨匠同士の迫力ある応酬はまさに空前絶後。一転して、第3楽章の静寂の中で描かれる抒情性、感傷性、幻想性も、同曲の録音において絶美の表現と言えるでしょう。終楽章では再び第2楽章のような迫力ある応酬が繰り広げられ、最後は深い余韻を残しながら静寂の中へ消えてゆきます。
 バルトークのヴァイオリン・ソナタ第1番(1921年作)は表現主義的な激しい作品であり、両楽器に高度な技術と力強さ、そして細部をゆるがせにしない表現力が要求されます。その意味で、オイストラフとリヒテルによるこの演奏は、現在でも同曲の録音史上でトップを争う名演と言えるでしょう。第1楽章の曲線的なピアノのアルペッジョと直線的なヴァイオリンのパッセージの交錯からは、まさに巨匠同士の火花散るぶつかり合いが生まれ、迫力満点です。その後の起伏に富んだ曲想の変化にも、柔軟かつ力強く対応してゆきます。第2楽章では一転して静謐なヴァイオリン・ソロが、神秘の世界へと聴き手を誘います。ここでのオイストラフによる、存在感のある音で紡がれる息の長い歌は美しさの極みです。やがてリヒテルが加わり、この楽章特有の夜想曲風の世界を見事に描き出してゆきます。終楽章は舞曲調の激しい音楽となりますが、ここでも両者のぶつかり合いは圧倒的であり、作品が持つ前進するエネルギーも相まって、凄絶な音楽世界へと聴き手を巻き込みます。
 今回の復刻では、ビクターが温度管理も含め厳重に保管していたビクター所蔵のオリジナル2chのアナログ・マスターテープを用い、当時も使用していたスチューダーのA-80で再生した音源をSACD層用にはDSDでダイレクトに、CD層用には同じくDSD化された音源を基に出来るだけ工程ロスを減らしたピュアな方法で44.1kMzに変換しています。製品化にあたってはスタジオでマスターテープと比較の上、DSD2.8MHz、DSD5.6MHz、DSD11.2MHz、PCMは44.1kHzから192や384等、可能な限りのレートで試聴を行った上で、DSD2.8MHzのダイレクトを採用しました。これは、SACDのフォーマットが2.8MHzのため工程で一番ロスが少ないこと(他のレートでは最終的に2.8MHzに変換するため工程が多くなる)で、楽器の質感や音色が一番アナログ・マスターテープに近かったことによります。もちろん、今回もテープの状態が非常に良かったことにより、音楽性を重視した最小限のマスタリングに留めています。そのため、本来のアナログ・マスターテープに極めて近似した音を再現できました。尚、CD層はDSD化音源を使用し調整しています(今回、全工程は広義な意味も含め「マスタリング」という言葉を使用しています)。現在の技術を用いたこの素晴らしい録音を最大限お楽しみいただけます。
 尚、解説書には初出時の一部解説と、新規で序文解説を掲載しました。また、ジャケット・デザインはビクターのLP初出時のものを採用しています。

※ タワーレコード限定販売。限定盤
※ 1975年度レコード・アカデミー賞受賞(室内楽部門)
※ 世界初SACD化。ステレオ録音
※ SACDハイブリッド盤
※ ジュエルケース仕様
※ 2026年最新マスタリング音源使用(マスタリング・エンジニア:袴田 剛史氏、マスタリング・アドバイザー:野島 友雄氏)
※ 盤印刷面:緑色仕様
※ オリジナル・ジャケット・デザイン使用。使用テープとテープシートのカラー写真を解説書内に掲載
※ オリジナルマスターから起因するノイズ等がございますが、ご了承ください。
※ 解説書:伊熊 よし子氏(新規序文解説)、村田 武雄氏「ダヴィド・オイストラフを偲ぶ」「オイストラフとリヒテル」「楽曲解説」(1975年既出)他。解説書合計26ページ