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インタビュー

INTERVIEW with 1031(6)――「さらば青春の光」から「ロッカーズ」へ

 

「さらば青春の光」から「ロッカーズ」へ

 

――大学は楽しかったみたいですね。

「僕、本当にサークルが楽しすぎて。バンドをずっとやってるのも、その延長みたいなもんですからね。もう大人にならなきゃ駄目なのに、足踏みしてるみたいな」

――ん? 前に進んではいるでしょう?

「それは、まあ自分で言うことじゃないと思うんですよ」

――出た(笑)。

「(笑)自分ではホントに駄目だと思ってるんで。だから超保守的っていうか。失うのが怖いし。そういうのが極端なんだと思います」

――私の個人的な印象では、今回の作品は、失いたくないものを守るために戦ってるような気がします。

「そうですね」

――そこに切実さを感じるし、言い方はなんですけど、涙ぐましい(笑)。

「はい、その通りですね。あまり〈戦う〉とかマッチョなことを言うのは嫌なんで、言葉はひねってますけど」

――うん。

「前作は、マインド的にはブライアン・ウィルソンなんですね。もう泣いてるんですよね、メソメソ、超内気なんです。でも今回はもうちょっと、ロックンローラー寄りですね」

――例えると誰ですか?

「…………まあ、大江慎也とか。前作も大江慎也の節はあるんですけど。大江さんの特に、いちばん最後のソロ・アルバムとか。ちょっと内向的になってからの大江慎也みたいな部分が前作はあるんですけど。今回は、『カルト・グラス・スターズ』の時のミッシェル(・ガン・エレファント)とか、ルースターズでも最初の2枚ぐらいとか……そうですね、もっと具体的な存在でいうと誰なんだろう……。バンドって感じですかねー。前作がオノヨーコのいないジョン・レノンだとしたら、今回は『Please Please Me』とかですね。ギターを背負って、立ち向かってる感ってのがありますね。前は立ち上がってもないですね。ただメソメソして……そういう意味でブライアン・ウィルソンとか、もっと明るく言うならば小西さんとか……オタッキーなアルバムでしたね。すごい好きなんですけどね。で、今回はわかりやすく、駄目な僕がギター背負って、バンド組んで、みたいな、そういう青春映画じみた色はあるかもしれないですね…………ブルー感も前は強い気がしますね。どうかな、わからないけど」

――露出の程度が違うだけで、根本的なブルーの度合いは同じくらいだと思うけど(笑)。

「そうっすね(笑)。〈さらば青春の光〉に近いのは前ですね。今回は〈ロッカーズ〉とか……ちょっと立ち上がってる感はありますよね」

 

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カテゴリ : ニューフェイズ

掲載: 2010年04月19日 20:30

更新: 2010年04月19日 21:36

インタヴュー・文/土田真弓